辛口のにごりワインSoif Rose(ソワフロゼ)。ワイン酵母を使ったハード系のパンと。 早摘みの山形県産スチューベンを使った低アルコール。体を動かしたあと、のどの渇きを潤すためにゴクゴクと飲めるさっぱりとした口当たり。清澄濾過を行わず、旨味が感じられる10~13℃がベスト。酸化防止剤無添加。
「醗酵と熟成。自分で味を育てて楽しむ。それがワインを楽しむ醍醐味です」と話すのは、ヒトミワイナリーの栗田智史さん。ヒトミワイナリーのワインは、滋賀県内の自社畑で無農薬栽培する葡萄と、山形県・岩手県・山梨県の契約農家のワイン用に栽培した“食べる葡萄”とワイン用葡萄の100%国産葡萄を使用している。
また、野生酵母のみで醗酵させ、清澄濾過を行わず、酸化防止剤はほとんどの銘柄が無添加。なるべくシンプルで、なるべく自然な昔ながらのワインを目指している。
現代の一般的なワインは、培養酵母で醗酵させ、きれいに濾過し、酸化防止剤を添加して貯蔵熟成させ、アルコール飲料として楽しめる。
「昔のワインは、醗酵方法や保管方法により醗酵や熟成が促され、味が変わりやすいものでした。ヒトミワイナリーのワインも、味噌、醤油、チーズ、漬物などの発酵食品と同じで、日本の食文化に合わさった“食中酒”としてのワインです。現代の一般的なワインとは方向性が違いますので、ワイン通やプロの方たちには批判されることもあります」
ヒトミワイナリーの創設者は、アパレルメーカーの代表だった図師禮三(ずし れいぞう)氏。アパレル事業でフランスに馴染みがあった同氏は、ワインや美術品を日常の楽しみととらえ、故郷の東近江永源寺にそれらを広めようと、60歳からワイン造りをスタート。ヒトミワイナリー併設の美術館は、身近な民芸陶器などを中心に収蔵し、気軽に味わえるワインとパンという今のヒトミワイナリーの礎を築いた。
30年ほど前、タンクから出したばかりの“にごった状態のワイン”をお客さまに飲んでもらったところ、「おいしい」という声が多く聞かれ、濾過をしない「にごりワイン」を究めていくことに。それが東京で評判を呼び、“田舎式微発泡にごりワイン”という、現在のヒトミワイナリーの看板ワインシリーズh3が誕生した。
年間のワイン生産量は10万本ほど。造り手は、若き醸造長とスタッフ2人という超少人数体制。仕込みが始まるこれからの時期は、栗田さんもワイン造りを手伝うという。
お酒を扱う飲食業界から10年前に転職してきた栗田さん。「ビールや日本酒、焼酎は好きでしたが、ワインは好きではなかった。ですが、ヒトミのワインはおいしく、飲んでも頭が痛くならない。ワインが飲めない人がおいしいと感じる…その理由を突き詰めてヒトミワイナリーの考え方に感動し、ここに来ずにはいられなかった。日本にこんなすごい酒造メーカーがあるんだと。他のスタッフもみんなヒトミが好きで集まってきた人ばかりです」
昔ながらの手間暇を惜しまない自然製法、少人数体制、国産100%の葡萄。さらに地元・滋賀はもとより、多くの人に日常的にワインを楽しんでもらいたいとの想いから1本あたりの価格は2,000~3,000円と破格の安さ。
近年はナチュラルワインやクラフトビールがブーム。日本全国でワインを造り始めるメーカーが増え、ワイン用国産葡萄の確保にも影響が出ている。
「現状をどれだけ保っていけるか。そして滋賀の葡萄でおいしいワインをもっと造りたい」
厳しい状況の中、ここに惚れ込んだ醸造家たちの情熱が、ヒトミワイナリーの変わらぬスタイルを支えている。
・道の駅 奥永源寺渓流の里:滋賀県東近江市蓼畑町510
・道の駅 あいとうマーガレットステーション:滋賀県東近江市妹町184-1
・道の駅 びわ湖米プラザ:滋賀県大津市今堅田3-1-1
・小川酒店:滋賀県大津市浜大津2丁目1-31
・加藤酒店:滋賀県大津市木下町13-1
・近鉄百貨店草津店:滋賀県草津市渋川1丁目1-50
・wineshop AZURE BLUE(アズールブルー):滋賀県守山市守山2丁目10-27
・八風の湯:滋賀県東近江市永源寺高野町352
・さざなみ酒店〔彦根市〕:滋賀県彦根市佐和町11-9
・さざなみ酒店〔長浜市〕:滋賀県長浜市元浜町12-27
※現在、供給が追い付いていない状況のため、販売店へは在庫状況を確認してから来店を。
住所 | 滋賀県東近江市山上町2083 |
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TEL | 0748-27-1707 |
WEB | http://www.nigoriwine.jp/ |
営業時間 | 11:00 ー 18:00 |
定休日 | 月曜日・木曜日 |
店舗情報 | ※試飲可能 ※ワインは高温になると品質が劣化するため、15℃以下の保存が基本。 購入の際はクーラーボックスの持参を推奨 |