米のほのかな甘みが楽しめる生酒のほか、 すっきり軽やかなキレを感じる火入れ酒も。 それぞれの旨味をじっくり味わいたい「ええとこどり」シリーズ。
琵琶湖の西岸、浮御堂近く。浪乃音酒造は、比叡山延暦寺の高僧から「浪乃音」という銘を賜わり、1805年から200年余り堅田の地で酒づくりを続けてきた。
「昔のように日々たくさん飲む酒ではなく、今は高級志向というか、こだわりを持って日本酒を楽しむ傾向になっている」と話すのは、10代目蔵元・中井 孝さん。
技術を深めるため、弟2人とともに能登流の名杜氏に数年かけて学び、県内でも先駆けて“蔵元杜氏”での酒づくりを始めた。杜氏の名前を銘柄に付けた最高峰酒「大吟醸 金井泰一流」は、令和3年の全国新酒鑑評会で金賞を受賞、教えはしっかりと受け継がれている。
浪乃音酒造の酒づくりで大切にしてきた精神は、時代を経ても守り続ける「伝統」、上品な甘みを大切に飲む人に合わせて進化させる「味わい」だ。
長く3兄弟での酒づくりを行ってきたが、現在は孝さんの長男、充也さんも加わった。子どもの頃、酒づくりの活気にあふれる蔵や大勢で食事をとる蔵人たちのにぎやかな風景を見て、「自分もこの中に入りたい。大きくなったら酒をつくろう」と心に決めていたとのこと。日本酒づくりを多方面から学ぶため、良質な酒づくりにおいては全国TOPクラスといわれる福島県で4年間修業。福島との土地の違いを感じながらも、浪乃音の個性は出しつつ、良いところは取り入れている。
「震災を経験した福島の人たちにとって、酒づくりができることは当たり前ではない。郷土愛の強い福島を見て、滋賀に生まれ、滋賀に育った自分も地元や地域を意識するようなった」と充也さん。滋賀県産の酒米を使った「渡船」シリーズ、若い感性を活かし、女性や日本酒の初心者にも楽しんでもらえるフルーティーで飲みやすいブランドも開発中とのこと。「地元はもちろん、県外、そして国内外に浪乃音の酒を届け、滋賀県全体の酒づくり文化を底上げしていきたい」と力を込める。
酒には味の波があり、できたてがおいしい酒、少し寝かした方がおいしい酒…銘柄によってもそれは異なるとのこと。月に2日ある“はかり売り”では、今、一番おいしい状態の酒を蔵人がブレンド。まさにそのときにしか手に入らない、貴重な味を楽しめるとあって、常連客はもちろん県内外から日本酒好きが訪れる。コロナ禍であるため手ぶらでOK、一升瓶と4合瓶が用意されている。
住所 | 〒520-0242滋賀県大津市本堅田一丁目7-16 |
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TEL | 077-573-0002 |
WEB | https://naminooto.com |
営業時間 | HP参照 |
定休日 | HP参照 |