しぼりたてを低温貯蔵し、熟成させてから火入れした「一番酒」。ほどよく甘口、コクがありながら後味は上品に。飲み慣れている人もうならせる、北島酒造の看板商品。
ポップなラベルが印象的な「BIWAKO NO KUJIRA」は、「ありえへんほど美味しいお酒」ということで命名された甘口の無濾過生原酒。
爽やかな果実香、すっきりと辛口な純米吟醸「近江のしずく」。 “玉栄”、“吟吹雪”、“山田錦”など近江産酒造好適米を高度精米した贅沢な日本酒。
どれもアルコール度数が高いため、常温、冷やのほかオンザロックもおすすめ。
水口宿と石部宿を結ぶ湖南市の旧東海道沿い。白い土壁に瓦屋根、立派な門構えが凛と際立つ北島酒造。創業は1805年の江戸後期。敷地内に湧き出す鈴鹿山脈のやわらなか軟水、近江米を中心とする酒米を使用し、2つの日本酒ブランドを展開している。長い歴史を経た現在、当主を務めるのは第14代目蔵元の北島輝人さん。
「1本でも評判になり、1本でも評判を落とす」と語った先代の繊細な日本酒造りを受け継ぐ“御代栄”ブランドは、芳醇な香り、甘くてやさしい味わいが中心。品評会でも金賞を受賞するなど、変わらぬクオリティでファンの期待に応え続けている。
一方で、北島さん自身が好むのはお燗酒。穏やかですっきりとした、キレのある味わい。自身の飲みたいお酒を追求し、生原酒のほか北島酒造でそれまで取り入れていなかった 伝統製法“生酛造り”にも目を向けた。今から10年以上も前、他の酒造メーカーに先駆けての挑戦だった。「味が重たいのではないか」と怖かった生酛造りの日本酒はむしろ軽く、「明らかに味が違った」とのこと。可能性を確信した北島さんは、もう一つ別の“北島”ブランドで、挑戦する酒造りをスタートさせた。
息を合わせながら麹用の蒸米をもみ上げる、北島さんと杜氏の齋田泰之さん。秋から翌年の春先にかけ、ほぼ毎日繰り返される朝の風景だ。齋田さんは麹室の上に寝泊まりし、2時間おきに麹を確認して発酵状態を微調整する。すべての工程で柱となる“状態の見極め”においては「感覚的なものと数値的なものが一致していることが大事」と齋田さん。北島さんのユニークなアイデアや想いを受け止め、落とし込む技術力を持ち、春夏は米づくりを行って酒米にも精通。酒造りへの情熱にあふれる齋田杜氏への北島さんの信頼は厚い。
燗酒やロックに最適な生酛仕込みの酒。個性あふれる熟成タイプの日本酒。北島さんは、一味違った日本酒の楽しみ方を提案する。
若いときは迷いがたくさんあったという。「経営のためには売れる酒造りも必要。しかし、流行りは一時のもの。そればかりを追いかけると先はない。自分がおいしいと思う酒、方向性を決めたら、想いをわかってくれる酒屋さんを通じて、想いに共感してくれるお客さんに届けたい」
“地酒=自酒”。14代目は独自の価値観で業界に風を吹かし、200年以上続く老舗蔵元の歴史をつないでいる。
【大津市】
・小川酒店/滋賀県大津市浜大津2丁目1番31号
・加藤酒店/滋賀県大津市木下町13-1
【草津市】
・タカツ酒店/滋賀県草津市野村1丁目18-2
【守山市】
・酒酎屋たきもと/滋賀県守山市今宿2丁目11-18
【湖南市】
・酒問屋中村/滋賀県湖南市石部東2丁目6-36
【東近江市】
・こいずみ/東近江市青葉町3-6
・大桝屋/滋賀県東近江市山上町447
【彦根市】
・酒舗まえたに/滋賀県彦根市船町5-10
※売り切れの場合もあり、上記の店舗に確認のうえ来店を。
※「御代栄」は、北島酒造(湖南市)のほか、多数の小売店で取り扱い。取り寄せも可能。
住所 | 〒520-3231 滋賀県湖南市 針756 |
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TEL | 0748-72-0012 |
WEB | https://www.kitajima-shuzo.jp/ |
営業時間 | 平日 9:00~17:00 |
定休日 | 日祝定休/夏季 水・土曜不定休 |