HINO BREWING

イノシシ印のクラフトビール

滋賀県蒲生郡日野町。ラベルのモチーフとなったのは 約850年の歴史を持つこの町の大祭「日野祭」の元宮、 馬見岡綿向神社に祀られているイノシシ。 クラフトビール醸造所「HINO BREWING」は、2017年、 日野町在住・日野祭の氏子3人でスタートした。

「祭り」×「ビール」
活気あふれる祭りに合うビールを

  • (左)田中宏明さん(中央)ショーンさん(右)トムさん

「日野町の酒屋で育ち、地域が盛り上がる祭りが大好きだった。今でも日野祭の曳山運行に参加している」と話すヒノブルーイング株式会社代表取締役の田中宏明さん。学校を卒業後はデザインの道へ進み、大手住宅メーカーで設計を経験、家業の酒屋を継ぐ際は“ものづくりがしたい”と考えていたとのこと。「せっかくなら、好きな祭りや地域に関われるものを。神社のお供えでは地酒や大手メーカーのビールがよく使われるが、地ビールはない」。
日野町在住のポーランド人・ショーンさんが「ビールを作れる」と言い、同じく地域の古民家で暮らし始めたイギリス人のトムさんも加わり、3人でのビールづくりが始まった。祭りのさまざまなシーンを連想してつくる味のバリエーション。「飲みやすく、やさしい味。たくさん飲んでもおいしく感じるレギュラーを意識している」と田中さん。

  • 【おすすめの料理】左(バカラガー)和食、左から2番目(ヤレヤレエール)ハンバーグ、左から3番目(ドントヤレ)揚げ物、どら焼き、右(クダリスタウト)スイーツ

オリジナルの「ビール酵母」探し。
日野で、自分たちだからこそできること

ブルーメの丘にある醸造所では、これからの暑いシーズンに備え、急ピッチで醸造が行われている。メインでビール醸造を担当するのはショーンさん。母国ポーランドでは18歳からビールを飲むことができ、家庭で自家製を楽しむなど、ビールはより身近な存在だったそう。早朝からの仕事、体力的に厳しい面も。それでもつくるのは「出来上がったビールを飲む瞬間、みんなに喜んでもらう瞬間のため」とショーンさん。
ビールの原料にも工夫、ホップの一部は畑で自家栽培している。また、長浜バイオ大学に協力してもらい、綿向神社の植物や木々などからビール酵母株を採取する取り組みを行っている。「ビール醸造に使える菌や微生物群を見つけるのは簡単ではないが、何とか原点となる地元の神社の酵母菌でビールをつくりたい」と田中さん。「ビール業界で自分たちは新参者。これからも味は進化すると思う。味のおいしさはもちろん、自分たちがビール醸造に携わっていく意味を追求している。この土地で、日野で、滋賀でビールを通して喜んでもらえる取り組みをしていきたい」。

  • ビール醸造に使える菌・微生物群を探す実験。この日は外で咲いていたエルダーフラワーを使用。発酵が始まれば、ビール醸造に使える菌・微生物群のみ単離し、オリジナル酵母をつかったビールが醸造できる。
  • 酢屋忠本店
    日野町大窪にある田中さんの酒屋では、HINO BREWINGのビールのテイスティングが可能。金・土曜は量り売りも実施。「音楽のように、季節やモード、シーンに合わせてチョイスできるビアスタイルを提案します」と田中さん。

今回の
「探訪スポット」

HINO BREWING
住所 〒529-1628滋賀県蒲生郡日野町大字西大路843番地
TEL 0748-36-1546
WEB https://hinobrewing.jp
営業時間 HP参照
定休日 HP参照
店舗情報 ※お酒のお買い求めは、酢屋忠本店(滋賀県蒲生郡日野町大窪729)またはHINO BREWING取扱店まで

アクセス

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