太田酒造

不盡蔵「道潅」
味・香りともに
多彩にラインナップ

味わいにこだわる山田錦50、玉栄60、渡船60に加え、 シェリー樽で寝かせた銘柄や吟吹雪など、香り豊かな銘柄も。 滋賀県の環境こだわり米に認定される酒米、地下深くから汲み上げる良質な水。 最良の原材料をそろえて醸す草津の日本酒。

自社田での酒米づくり
個性を際立たせた上質な酒

  • 太田酒造/太田 精一郎さん
    「今の時代、酒づくりはそれぞれの蔵元が個性を出し、蔵元同士が協力して業界を盛り上げていくべき」

酒米が蒸し上がり、放冷、製麹と、蔵人たちが連携して作業を進める。「玉栄」70で仕込むこの酒は、太田酒造のセカンドブランド湖弧艪(こころ)”の生原酒で海外へ輸出されるという。
近年の地酒回帰の流れを受け、太田酒造では酒米を自社田で生産する。「4年前から下笠(草津)の田んぼを改良していた。メインブランド“道潅”の山田錦も全量無農薬で栽培し、今年から使用を開始した」と話すのは、太田酒造代表取締役、太田精一郎さん。栗東に展開するワイナリーの葡萄生産も行い、酒米、ワイン用葡萄共に“環境こだわり農産物”に認定されるなど、原料の質にもこだわりを持つ。

「ここ不盡蔵(ふじくら)では、菊姫で知られる農口尚彦杜氏の教え子が杜氏となり、17年目を迎えた。各種の酒質も向上している。農業の6次化推進でJAさんから地元産の麦や芋が安定して入手できるようになり、県産100%の原料で焼酎も作れるようになった」。

太田酒造は日本酒をはじめ、ワイン、焼酎、梅酒、ブランデーなど、多彩な酒を手掛けている。

  • 遠祖は戦国武将「太田道潅」
    歴史と共に歩んだ酒づくり
  • 草津の旧東海道沿いある太田酒造。
    江戸期には“政所”と呼ばれ、草津宿場の中心的な役割を果たしていた。

江戸城築城に関わった武将・太田道潅を先祖に持つ太田家は、東海道沿いの草津宿場で草津問屋場を預かり、隠し目付役も担っていた。
「江戸末期から明治の初頭、所有の田畑や取り扱っていた年貢米から小さな酒蔵をつくり、少量から日本酒づくりを始めた。大正時代に入ると、祖父が焼酎の技術指導に満州にわたり、草津でも本格的な焼酎づくりが始まった。米が貴重な時代は、清酒より焼酎が重用された。当時は酒粕にもみ殻を混ぜてせいろ蒸しで蒸溜する粕とり(郷土料理の鮒ずしなどに使われた)と米焼酎がメインだった」と太田社長。
戦中戦後には「酒石酸(しゅせきさん)を供与せよ」との要請に応じ、栗東の浅柄野を開墾し葡萄栽培とワイン醸造をスタート。昭和22年には東京に6000坪のアルコール醸造工場を設立するなど、太田酒造の酒づくりは歴史情勢と深く関わってきた。
「戦後の農地解放等によって大半の土地を手放したが、祖父(太田敬三氏)が多くを買い戻し、粉骨砕身で栗東でのワイン醸造、灘(兵庫県)と草津での日本酒蔵の礎を築いた。今の太田酒造をつくったのは、祖父と言える」。

日本酒は神様に捧げる神聖なもの
「想い」と「技術」を継承

  • 神棚を前に行われる日本酒づくり

太田社長が目指す、今後の展望とは…。「道潅の酒は、松尾大社(京都)さんや日吉大社(大津)さん、また太田道潅が川越山王社を勧請した日枝神社(東京)さんなどで五穀豊穣を祈念するお神酒としてお使いいただいている。私たちも酒をつくるときは、神棚に祈りを捧げてご加護をいただき、新酒ができればお供えをする。神聖な酒づくりをさせていただいていることを大切にしていきたい」。
また、「社内で積み上げる技術をしっかり伝承していく必要がある。ここでも、栗東のワイナリーでも若手の人材育成が急務。工場や設備などは父がつくり上げてくれた。いかに社員を大事にし、自社に愛着をもって楽しく仕事をしてもらうか。その土壌づくりと人育てこそ、私の一番大きな使命」と続ける。
地元での米づくりで地域を潤し、無農薬米でブランド力を強化。先祖から受け継ぐ神への畏敬の念、時代に沿った酒質選びと経営指針。長い歴史をつないできた太田家は、第19代目当主によって次代へつなぐ挑戦が続けられている。

今回の
「探訪スポット」

太田酒造
住所 〒525-0034 滋賀県草津市草津三丁目10-37
TEL 077-562-1105
営業時間 9:00~17:00
店舗情報 1階売店にて各種日本酒の試飲可。
2階にある「太田道潅」資料館の見学も可能。

アクセス

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